JALの国内線で機内wifiが完全に無料で利用できるようになりました。
カバーする路線は、ほぼ日本全国です。(J-AIR/JAC/RAC/HAC運航便、国際線機材での運航時は除く)
ライバルのANAはまだ一部国内線での導入なので、無料で国内線全路線導入というのはセンセーショナルな話題ですね。
そもそもどうやって飛行機の中でインターネットに接続するのか
一昔前までは、機内では携帯電話の電源を切るかマナーモードに・・とか、電波が飛行機の計器に影響を与える・・とか言われて、飛行機の中でインターネットに接続なんてできるわけないというイメージでした。
JALが2012年、ANAは2013年から機内wifiを導入していますが、そもそも上空を高速で移動している飛行機が、どうやってインターネットに接続しているのか気になったので調べてみました。
インターネットに接続する方法を分類すると大きく3つに分けられます。
- ATG(Air-To-Ground)方式
- Kuバンド方式
- Kaバンド方式
ATG方式
地上に設置した基地局と飛行機のお腹に設置したアンテナで通信を行って、インターネットに接続する方法。
(Gogo社-How Gogo Inflight Internet Works より)
海上だと通信が途切れるのがウィークリーポイント。
アメリカ国内では主流な技術のようだが、島国の日本では採用が難しそう。
Kuバンド方式
ATGと異なり、宇宙に打ち上げられた衛星をを介して通信する方法。飛行機の上部に取り付けたアンテナで通信します。
Kuバンドっていうのは、通信周波数帯域のうち12-18GHzの帯域の事。BS放送等にも使われてるこの帯域を使って通信するらしい。
JAL国内線で導入されてるのは「2Ku」の模様。米国の機内インターネットサービスプロバイダGogo社が提供してます。Kuのアンテナが2個あるから、2Ku。アンテナが2個ある分、Kuより通信速度が早い。
まあ、2Kuって最新の方式らしいので、JAL国内線の全部の機体が2Kuではないのかもしれない。JAL公式HPなんかで公表してないので、正確には不明です。
Kaバンド方式
Kaバンドは、Kuと同じく衛星を介して地上と通信します。Kuより高い周波数を利用していて、Kuより通信速度の速い技術方式です。
対応している衛星が少なくて、2015年位までだと米国内しかカバーしていませんでしたが、新たな衛星の打ち上げにより2016年ごろから世界中で利用できるようになったようです。
2KuとKaの通信速度はだいたい同じくらいのようです。70Mbps位(飛行機全体の下り理論値)。
2KuとKaの差ってなんだろう?と思ったので調べてみたところ、Gogo社曰く、Kaアンテナに比べて2Kuのほうがカバーできる衛星の数が多いので、通信が途切れにくいとのこと。
将来Kaバンドの衛星が増えたとき、機内インターネットプロバイダの技術競争が面白そうですね。
機体へwifiアンテナを取り付ける
アンテナの取り付けは機体の改修にあたるので、米国連邦航空局の承認が必要なのだそうです。へー。
2Kuのアンテナを取り付ける動画がありました。アンテナって大きいんですね。 大人2人が中に入れるくらいの大きさのようだ。
機内wifiは遅い?使ってみた感想
JAL国内線の機内wifi、2017年1月に羽田ー長崎便で利用しました。その時の感想。
- メールチェックをするには問題ない速度。もちろん地上よりは時間がかかる。
- ツイッターで画像を投稿しようとするとイライラする速度。(しかしタイムアウトにはならないくらい)
各種ニュースやインタビュー記事を読んだところ、完全無料化にあたり、期間限定の無料キャンペーンで、wifiの需要やネットワーク速度を測り調査改善を行ったとのこと。
しかしJALの国内線機材、大きいものだとB773の500席。国際線だと250席くらいがMAXですから、500席は大きな数字だと思います。
MAX500名がwifiに同時接続するなら、利用に耐えうる通信速度を維持するのは大変そう。
通信容量確保のため、ビデオストリーミング動画の再生は制限されるとのことなので、YouTubeなんかの視聴はできないです。
地上と同じように利用する、というのはまだ先のことのようです。