rankoの女子一人旅

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JALのシステム刷新に際して考えたこと

JALの旅客システムが新しく変わります。

前々からシステム刷新のプレスリリースが出ていましたが、ついに変更日と旅客ルール変更内容の詳細が発表されました。

予約ルールなどの変更(もとい改悪)内容については、有名どころのブロガーさんがたくさん取り上げてると思います。せっかくなので、私はマニアックな観点から語ります。現在のJALシステムで使用しているメインフレームについてを語ります。

メインフレームなんて聞いたことないって?そうですね、今日のお話は、明日使えないw雑学位にお考えください。

航空システムは、止まることは許されない

JAL-システム刷新-2017

画像:Freepik

JALの現在の旅客システムは、メインフレームで動いている。ちなみにJALはIBM社のメインフレーム。

メインフレームというのは、OS、CPU等、各メーカごとに独自開発された高性能コンピュータのこと。

メインフレームは、銀行や鉄道、軍事、国家機関等、安定的に高信頼かつ高性能が求められるミッションクリティカルなシステムで採用されている。身近な例だと、銀行でお金をおろすとき、その裏で動いているのはメインフレームだ。

メインフレームと対極をなすのがオープンシステム。世界的に統一された規格で開発されたコンピュータのこと。例えばWindowsOS。HPでもDELLでも富士通でもNECでも、どのパソコンも同じWindowsOSだよね。つまり一般的なパソコンは、オープン系のシステムに分類されるってこと。統一規格で動く分、安いとか選択肢が増えるとかの利がある。

メインフレームの最大の利点は信頼性の高さ。ハードウェアはもとよりソフトウェアでも貫徹して多重化設計がされているし、異常が発生した場合は異常部分を検知して切り離して処理途中でも処理の続行が保証されている。信頼性の高さをオープンシステムと比較するなら、そもそもの設計思想の段階でメインフレームの方が上だ。

ANAの国内線予約システムは、2013年にメインフレームからオープン系システムに刷新している。新システムで発生した大規模障害では、このネットワーク機器のシステム障害が最大だろう。

www.ana.co.jp

一社で独自開発するメインフレームと異なり、複数のメーカの複数のハードウェアから構成されるオープン系システムの泣き所、ネットワーク機器をついた障害だったわけ。

この障害では7万人以上に影響が出た。損害額だと約3.6億円。旅客システムがいかに高い信頼性の要求されるシステムか、よくわかると思う。

息が長いシステム

JALのシステムは、実は50年位メインフレームで稼働している。超長生き。無論、ハードウェアの更改はされ進化し続けてはいるが、鰻屋の秘伝のタレみたいに継ぎ足しながら、改良しながらずっと使ってきたのだろう。

普通のパソコンって数年使えばもう古くて使えなくなると思うが、メインフレームは10年から15年くらいのライフサイクルを保証されてるのが普通だ。

このところオープン系システムで一般化してきたクラスタリングや仮想といったIT技術は、20年ほど前からメインフレームでは実装されていたし、もう使える人が少なくて困るってくらい古いプログラミング言語を使っている。

つまり長年使ってきたから、バグが出尽くしているのだ。オープン系システムにするってことは、新しいトラブルをひく可能性がある。ANAみたいにね。

お金がかかるのだよ

メインフレームは維持費用だけで年間数十億が普通にかかる。そりゃ、これだけ高性能なんだし、需要と供給のバランス上、仕方ない。メインフレームほどのシステムが必要な企業は少ない。とにかく、メインフレームは金がかかるのだ。

JALは経営破綻前、年間70億円をシステムの維持費にあてていたらしい。

これは決して多い額じゃないと思う。オープン系に乗り換えたくてもお金なくてできなかったんだろうな。

ANAは8年かけてシステムを刷新した。JALも同規模のシステムだから同じくらい刷新の計画はかかるはず。

JALは2010年に破綻した。2017年にシステム刷新するということは、逆算して破綻直後からシステム刷新を計画しないと間に合わない。それだけ新しいシステムに乗り換えたかったんだろう。

オープン化の理由をJALは語っていないが、ANAは語っている。理由は2つ。1つ目は高い運用維持費用。2つ目は、開発できる技術者の減少。だそうだ。JALも似た理由だろうな。

JALは今度のシステム刷新で、オープン系のシステムに切り替える。JAL自前での開発をやめて、アマデウス社の製品、現在120以上の航空会社が使っているシステムに乗り換えるわけだ。

いろんな航空会社のシステムと連携が取りやすくなる。同じ仕様だからね。自社開発しなくてもいいから、安く早くできるわけだ。

つまり、我々にとっても確実に便利になるのだ。

その代わり痒いところに手が届くようなシステムは作れなくなる。統一規格だからね。だから、システム変更が入るのだ。まあ、合わせて改悪してきた感はあるが。

さいごに、言いたいこと

言いたかったことは、現行のJALの旅客システムは遅いとかプアとか言われてるけど、自前開発で長年稼働してきて、ほんとおつかれさまでしたってことです。

 

最後に。

ただ、それどうなんだろうって思うのが、日本地区の国際線販売はアクセス(JALが自前で開発した予約システム)を使い続けるってこと。

アクセスは機能をみる限り、新しいシステムで採用するアマデウスのアルテアと被ってるような。いろいろ理由はありそうだ。